虹梁
国道沿いの漁村の古い少し荒れ気味のお寺が記憶にある。久しぶりに尋ねて見た。
少しだけ社寺仏閣の建物に関わって、訪ね歩いたお寺の中でもかなりはっきりとした記憶に残っている。けれどお寺の名前もその漁村の名前もうろ覚えだった。
おおよその場所と何故記憶に残っているのかという理由だけがはっきりとしている。
そのお寺の前の路地をはさんで県指定の文化財の民家がある。
大抵の人はそちらの見学が目的でこの路地に入ってくる。
僕もその時公開されていたその民家を訪ねた時にたまたまそのお寺に迷い込んだ。
そして記憶に残る感動を味わった。
お寺の向拝の柱と本堂の柱をつなぐ梁を虹梁という。
この虹梁はたいていの場合弓なりに曲がっている。それを「海老虹梁」という。
海老が屈伸しているような曲がり方をしているのだ。だから海老虹梁というのだと勝手に解釈をしていたのだが、なんとこの漁村の古寺のその虹梁に見事な海老の彫り物が施してあってまさしく
「海老虹梁」なのだ。立派すぎて参考にもならない。恐れ多い。
その「海老虹梁」を久しぶりに尋ねて見た。
漁村のお寺らしく山門の柱の木鼻と言われる部分に、たいていは獅子や象や漠や龍の頭が彫られているのだが「魚の頭部」が彫ってある。
その佇まいに改めて感心した。
by hidetaka_nawa | 2017-08-11 08:01 | Comments(0)